閲覧数は多いのに、販売につながらない。
アクセス解析によると、ユーザーの滞在時間がかなり短い。
もしそんなサイトをお持ちなら、原因はWebライティングにあるかもしれません。
インターネット上で文章を書くことを一般に「Webライティング」と呼びます。
ごく普通に文章を書くこととどう違うのでしょう?
テキスト作成にあたって、この違いをしっかり意識しているかどうかで、
サイトの持つ訴求性は大きく異なってきます。
Webユーザーは「読まない」、Webユーザーは「忘れる」
Webライティングと、ペーパー媒体におけるライティングとのもっとも大きな違いは、基本的には1点です。
ネット上の文章に触れるユーザーは、「読まない」、あるいは「忘れる」存在だということです。
インターネットに接続しているユーザーは、膨大な量の情報と向き合っています。
限られた時間の中で有益な情報を得るためには、とにかく短時間で取捨選択する必要があるのです。
極論するなら、新しいサイトを開いたユーザーは、そのサイトを読むつもりはほとんどない
、と言っていいでしょう。また、そのサイトの存在、書いてあったことは、すぐに忘れ去ります。
Webライティングはまずそういった前提に立って、それでもなお「読んでもらえる確率」を高める工夫を盛り込んだライティング技術です。
Webライティング成功させる7つのルール
大ざっぱに言えば、ユーザビリティーを高めることが、ここで紹介する7つのルールの目的です。
紙媒体ではなく、パソコンのモニターでテキストを読む際、どういった配慮や工夫があれば、より読みやすく、よりわかりやすくなるのか。これまでさまざまなサイトで試行錯誤され、研究されてきた知恵の結晶と言えるでしょう。
1,文章の構成を「結・起承転結」とする
一般的に文章には「起承転結」があります。Webライティングでは、これを「結・起承転結」とするのが有効です。
先に書いたように、ユーザーは「読まない」ものだからです。物販であれば、その商品がもたらす最大のメリットを冒頭で知ってもらう必要があります。コンセプトや開発過程、原材料など、その商品について説明するテキストは、その後で読んでもらえばよいのです。
最後にもう一度締めの文章として「結」を持ってくることで、理解しやすい流れを作ることができます。
2,1文はできるだけ短く
なるべく長文を避けることが有効です。
長文は文章の文法構成が複雑になるため、ユーザーからは「わかりにくい」と感じられがちです。
理解するのに少しでも労力を要すると、別ページへとユーザーは移動してしまいます。
1文の長さは40~60文字程度に抑えるのがよいとされています。
もし現在お持ちのサイトに長文があるなら、ぜひ2、3文に分けて、リライトしてみてください。
あるいは箇条書きにするのもよいでしょう。それだけで、アクセス解析の結果が変わることもあります。
3,アバブ・ザ・フォールドを意識する
見慣れない言葉かもしれませんが、「アバブ・ザ・フォールド」というのは、サイトを開けたとき、スクロールなしで見える範囲のことです。
先にあげた「結」や、決定的なビジュアルをこの範囲内に盛り込むことで、スクロールしてもらえるか(続きを読んでもらえるか)が決まります。重要情報はすべて、この範囲内に書き込むことが非常に大切です。
ちなみに、まれにですが、閲覧するのに横スクロールを要するサイトがあります。
インターネットサイトの研究で世界的に有名なヤコブ・ニールセン博士によると、横スクロールは絶対のタブーとされています。人がページ上のどこをどのくらいの長さ見ているか、部位ごとに時間を測定したところ、横スクロールが必要な右端を見る時間は、全体のわずか1%程度だった、という研究結果が発表されています。
4,見出しを有効に使う
モニター画面に多くの文字が出ている場合、人はまずもっとも大きな文字である「見出し」から読み始めます。
一般に「Fの法則」あるいは「Zの法則」として知られていますが、ユーザーの視線は、「見出しキャッチコピー→サブコピー→リード」といった流れではなく、「見出しキャッチコピー→別の見出しキャッチコピー→別の見出しキャッチコピーあるいはサブコピー」という流れ方をします。
つまり、リードにいかに素晴らしいことを書いていたとしても、見出しが魅力的でなければ、すぐに閉じられてしまうのです。
ただしセンセーショナルな見出しコピーは、信頼性と矛盾する部分があります。顧客層を見据えていかにバランスをとるか、精緻なライティング技術が求められます。
5,テキストは極力ダイエットする
テキストは必要最小限の情報で構成すべきです。無駄な情報はユーザーの時間を浪費してしまうものとして、嫌われます。新しいページを開けて、前ページに書いてあったのと同じことが書いてあったり、無関係なことが書いてあったら、ユーザーは他のページも同様ではないか、と予測し、関心を失います。
すでにサイトを持ちの方は、ぜひ「テキストのダイエット」を行ってみてください。無駄を省き、テキスト量を減らすことは、ページを軽くする効果もあります。ユーザビリティーを高める効果的な工夫と言えます。
6,ビジュアルを多用する
アイキャッチとなるビジュアルがあれば、ユーザーがサイトに止まってくれる確率は高まります。画面一杯に文字が詰まっているサイトにアクセスしてしまい、すぐに閉じた経験は、たいていの方がお持ちではないでしょうか? 魅力的な写真はもちろん、グラフや図表を多用することで、「目に優しいサイト」を構築することができます。
ただし、ページの重さには気をつける必要があります。写真などで重くなりすぎると、開くのに時間がかかってしまい、ユーザーが去ってしまう可能性があります。解像度を落とすなどの工夫が有効です。
7,タイトルコピーはわかりやすいものに
インターネットサイトには、ページごとにタイトルが設定されています。titleタグで囲まれる文字列で、ブラウザの上枠に表示される他、検索結果の一覧などでそのページの名称として使用されます。ですからこのタイトルにサイトの内容が具体的に理解できるコピーが入っていないと、せっかく検索にヒットしても、有効な集客につながりません。
画面上大きく表示されるものではないので、軽視されているサイトをしばしば見かけます。複数ページのサイトで、すべてのページに同一のタイトルをつけているものなどもあります。
検索サイトに表示される際、1行の文字数は40文字程度です。タイトルをライティングするにあたって、この分量に納めれば十分ですが、30文字程度までに抑えることができれば、さらに見やすくなります。サイトの内容を訴求できるコピーを挿入することで、よりパフォーマンスの高い集客を実現できます。
余談ですが、その昔、フランスのセレブ層が集まる晩餐会に禅宗の高僧が招かれたことがあるそうです。一昔前の話ですから、ナイフやフォークの使い方は日本人にとってなじみのない知識でした。当然、晩餐の席に着いた高僧も知りません。固唾をのんで周囲が見守る中、高僧は実に理にかなった作法で食し、列席者はその所作に感嘆したそうです。
高僧の中にあったのは、「同席者を不快にさせない美しい食べ方に対する理解」であったろうと思われます。その基本に照らして、目の前に並んだカトラリーを眺めれば、自ずとどう食べることが礼儀にかなうものか、感じ取れたのでしょう。
Webはまだ歴史が浅く、進化し続けている媒体です。それに適したライティングルールも、まだ固定化されてはいません。新しい分野とのコラボや、Twitterの出現など、ライティングが新たに対応しなければならない進化も、まだまだ起きるものと思われます。
何についてどう書くにせよ、基本にはユーザビリティーがあることを思い出してみると、的確なライティングを行うことが可能です。