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SEOCPAS > 2011 > 3月

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ネット上でサプリメントや化粧品、健康器具などを販売する際、サイト作成でもっとも気になるのが、薬事法です。
警察庁の統計によると、2009年・105件、2010年・103件と摘発数はほぼ横ばいですが、是正の勧告や指示を受けるケースははるかに多く、対象商品を販売する場合には、神経質にならざるを得ません。
法律の適用には、構成要件と呼ばれる考え方があります。違反を構成する要件、薬事法で言えば、「本当は存在しない効果などを大げさに宣伝する」という確固とした「要件」があって初めて違反が成立する、という原則がこれにあたります。薬事法に限らず、日本ではこの構成要件の適用が年々厳しくなっています。以前はある一定の言葉を使わないよう気をつけていればクリアできた薬事法が、現在ではその精神にのっとり、曖昧な表現をいっさい許さない傾向を強めています。
そんな薬事法をクリアする表現とはどのようなものか、具体的な例をまじえてご紹介します。


サプリメントは守備範囲外?複雑に絡み合う薬事法とその他の法律

昭和23年に制定された薬事法は、昭和35年になって、現在のような形に整えられました。
目的としては、「この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療用具の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、医療上特にその必要性が高い医薬品及び医療用具の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。」と定められています。
つまり、対象とされているのは、医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」、「医療器具」となります。いわゆるサプリメントなどの健康食品は含まれていないため、食品衛生法や栄養改善法、健康増進法などで取り締まられる他、薬事法の間接的な対象とされています。

2010年6月から8月にかけて、消費者庁が「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大等表示の監視」を行っています。その結果、175業者、302件の不正表示を発見。是正を指示しています。
当該調査は薬事法ではなく、健康増進法に基づいて行われたものです。このように、健康や美容に関わるアイテム販売では、薬事法だけでなく、その他の法律をも視野に入れる必要があります。

次のうち、薬事法違反の表現はどれでしょうか?

いずれもよく見かけるタイプの広告表現です。違法性のある表現を見分けるには、5つのポイントを意識してください。

【POINT1.保証しない】
薬事法では、効果が確実であるような表現は、NGとされています。直接的表現でなく、確実性を暗示する表記であってもNGです。

【POINT2.効果の範囲を超えない】
実証されている効果以上の効能を表記することはNGです。

【POINT3.カテゴリーを逸脱しない】
医薬部外品、化粧品、健康食品など、販売アイテムのカテゴリーごとに効果をうたってよい範囲が決められています。この範囲を超える表現はNGです。

【POINT4.目的や効果について、あいまいな標記をしない】
あいまいな表現で、実証されている以上の効果をイメージさせることはNGです。

【POINT5.たとえ事実でもNGの場合がある】
事実の表記であっても、その事実が効果などを保証しているように見える場合は、表記がNGとなる場合があります。


【問題】
①天然成分が潤いを与えて、プルプル赤ちゃん肌に(化粧水)。
②肌の奥、真皮にまで浸透した保湿成分で、弾むようなやわらか肌へ(化粧水)。
③全てのお肌におすすめ!化粧水でお肌に張りとうるおいを取り戻す(化粧水)。
④ヒアルロン酸たっぷり配合の化粧水です(化粧水)。

⑤小じわが気になり始めたら。たっぷり保湿化粧水○○(化粧水)
⑥お肌をピンとリフティング、目元の小じわをスッキリ解消(化粧水)。
⑦たった一塗りで、目元の小じわを全てカバー(ファンデーション)。

⑧○○(サプリメント名)なら飲むだけで、抜群の美白効果。輝く美肌に(サプリメント)。

⑨やさしいカモミールの香りが、自然な眠りをお約束します(アロマオイル)。

⑩まずはお試しください。効果がない場合は、全額返金いたします(化粧品)。

⑪本品を6ヶ月使用したモニター120名中、72名に生え際の毛量増加が見られました(育毛器具)。


【回答と解説】
もうおわかりかもしれませんが、上記の表現は11本すべてがNGです。
①~④はお肌のうるおいに関する化粧水の表現です。①は若返り効果をイメージさせるためNG。「若返る」と直接的な表現がなくても、「赤ちゃん」という言葉によってイメージさせてしまうため、違反と見なされます。
②は真皮までの浸透をうたっているためNGになります。化粧水の場合、角質までの浸透はOKとなっています。また、「肌の奥」といった表現もあいまいなためNG。角質まで届くことを性格に表記する必要があります。
③は「全てのお肌に」という言葉がNGになります。年齢性別はもちろん、アトピーなど、皮膚疾患をお持ちの方が使用されても安全であり、効果を発揮するもの、と受け取れるためです。
④は成分表記に配合目的が付記されていないためNGです。特記する成分には、必ずその前後に配合目的を付記する必要があります。「ヒアルロン酸(保湿成分)たっぷり配合の化粧水です」という表現ならOK。
また、化粧品の成分表記では「薬草抽出成分」や「漢方成分」など、「薬」という言葉やイメージさせる言葉の使用はNGとなっています。

⑤~⑦は小じわに関するアイテムのコピーです。
化粧品の場合、メイクによってカバーする以外、小じわに対する効果をうたうことはできません。保湿や張りによって、小じわを目立たなくする、とうたっているため、⑤と⑥はNGとなります。
⑦はカバー効果をうたっていますが、完全に消せるような表記であるためNGとされます。

⑧はサプリメントなど健康食品に認められた効果の範囲を超えているためNGとされます。
健康食品の場合、肌についての効果をうたうことはできません。

⑨はアロマには認められない安眠効果を保証しているためNGです。安眠効果をうたうことができるのは医薬品に限られており、化粧品などに分類するアロマ系商品では、こういった効果に言及するとNGになります。

⑩は金額返還保証が、効果の絶対性をイメージさせるためNGです。「効果がなければ」返金する、ということは、業者側が100%その効能効果を確信している、保証している、と受け取れるため不適なのです。
ただ、返金保証全てがNGなわけでなく、薬事法違反を回避する表現があります。「効果がなければ」ではなく「ご満足いただけなければ」とリライトするのです。後者はあくまで使用者の主観によるため、効果に対する保証とは見なされていません。

⑪はたとえ事実であったとしても、統計学や実験の実態を知らない消費者には、結果が意味する効果を判断することができません。あたかも高い効果を上げている、とイメージさせるため、臨床データの表示はNGです。
類似したコピーとして、「購入者の82%が、効果があったと回答」といったたぐいのものがありますが、もちろんNGです。客観性がない事実でありながら、効果を保証しているように受け取れるためです。
化粧品などについては特に、薬事法でうたえない効果(張りがでた、など)をお客様の実感として掲示しているサイトがありますが、これもNGです。「あくまで個人の感想です」といったただし書きを付けてもNGですので、注意が必要です。お客様の声として挿入する場合、「使用感」や「価格」、「ビンの形状が可愛い」といった効果とは無関係の項目にとどめれば安全です。


今回の記事でも、薬事法の厳しさにはあらためて「いささか行きすぎではないか」と感じる部分もありました。
販促的なキャッチコピーはおろか、臨床データなど、事実の記載ですら薬事法に抵触する場合がある、というのは、実際にサイトを運営している方にとって、「それならどうすればいいのか?」といら立ちすら感じる厳しさかもしれません。
ただ、国民の健康を守る、という大前提があってのこと。全ての業者が同じルールのもとで販促活動を行っているのですから、合法かつ的確な表現で、商品の魅力を伝えることが大切です。
少し遠回りかもしれませんが、正確な表記で信頼を確立し、デザインやサイト構成といったユーザビリティーを磨くことが、成功への確かなルートと言えます。

いまさらですが、どんなサイトも大半はテキストで構成されています。写真やフラッシュ、音声を多用するサイトもありますが、実際に顧客に対して情報を伝えているのは、ほとんどがテキストです。つまりこのテキストの良し悪しが、サイトの売り上げを決めている、と言っても過言ではありません。
もちろんどのサイトも、販売成績を上げるよう、一生懸命に作られたものです。顧客に対して、商品の長所をアピールし、使用法や、使用した結果について、出来る限りの情報を伝えようとしているはずです。ただそんな中にも、顧客の信頼性を損なう言葉を含んだサイトがしばしば見られます。放置していると、せっかく苦労してアクセスを増やしているのに、成約へとつながらない、といった弊害も発生します。そんなNGワードを洗い出しして、成約率アップを目指してみませんか?


NGワードはなぜ生まれる?

ウェブサイトのイメージを悪くする言葉を今回は「NGワード」と名付けます。
実はこのNGワード、顧客の立場としてサイトを訪れた場合には、よく見えます。他人と会話するときのことを思い出していただくと、わかりやすいかもしれません。相手の言葉に含まれる「ちょっと配慮に欠ける言葉」については、反応できますが、話し手自身は、自らが口にした言葉の中に同等のものが含まれていないか、判断するのはかなり難しいことです。

自分の言葉の場合、「こういうつもりで話している」という知識が頭にあるため、無意識でその言葉をフォローしているからです。
親しい友人などと行き違いがあった際、「そういうつもりで話した言葉じゃないのに」と感じたこと、ありませんか? たとえば友人に対して、「少し会わないうちに、ちょっと太ったね」と語ったとします。語り手は「少しポッチャリしているくらいの方が彼女は可愛いし、健康そうなので安心した」と考えていたとしても、その情報は聞き手にはわかりません。「久しぶりに会ったのに、いきなり体型が悪くなった、と言われた」と感じる場合があります。
フォローや、付帯コメント無しの「太ったね」はNGワードだったのです。話し手と受け手の間には、このように非常に大きな情報ギャップがあり、そのギャップを埋める努力なしに発される言葉は、NGワードになる可能性が高い、と言えます。


種類別NGワードの分析

NGワードにはいくつか種類があります。あなたのサイトをチェックしやすいよう、種別に分けて解説してみましょう。

①不安誘発系
「意図しないで顧客の不安心理を煽ってしまうもの」がこれにあたります。たとえば、某医院のサイトで、「サプライズのある治療」という言葉を見かけました。
アピールしたい内容はくみ取れます。「期待以上の治療効果を上げる」という意味でしょう。ただし、医療において「サプライズ」という言葉は不安や恐怖を誘発する可能性が非常に高い言葉です。患者は基本的に、丁寧な説明を受け、その通りに治療してくれることを望んでいるのですから。
この例のように、「不安系」は、「こういうつもりで使っているのだから、大丈夫だろう」という考えから生じることが多いNGワードです。

②立ち位置系
語り手の立ち位置からすると、違和感を与える言葉、というのがあります。ある動物病院のコンセプトに「ささいなことでもご相談ください」という締めのテキストがありました。
ペットのトラブルについて、飼い主側が「ささいなこと」と認識するのは一般的ですが、獣医師側が「ささいなこと」と認識するのはNGです。
同様に、動物病院のHPで「最適な治療をご提案し、互いに納得できる治療を行なうよう心がけています」というテキストを発見しました。「互いに納得できる」はNGワードです。治療について「納得」を必要とするのは、基本的には飼い主です。テキストを素直に受け取ると、獣医師も「自分にとっても納得が必要」と考えているように理解できます。そういう意図はないとしても、ある種の傲慢な立ち位置を感じさせてしまう書き方です。
例はどちらも、書き手の「立ち位置」がまずいため、読み手に違和感や不信感を抱かれてしまう可能性が高いNGワードです。

③連呼系
商品名や効能を連呼するサイトがあります。わざと狙っているつもりでも、度が過ぎると、信頼性が低下し、「うざい」と感じられることで、NGワード化します。
こういった場合、キャラクターなどを作成して、セリフとして語らせるなどの工夫が有効です。地の文とは別の語り手を設定することで、読み手の「うざい」という感覚を緩和でき、NGワード化を防ぐことができます。

④言葉・テキストの間違い
基本的なことですが、文法的な間違いは極力洗い出しましょう。せっかく素晴らしい商品を紹介していても、こういった間違いがあると、それだけで一気に信頼性を損なうことがあります。
某社のサイトで発見した例ですが、「可変する」という言葉を使っておられました。プロペラを構成する羽の角度を変えられる、というのが当該商品の特徴なのです。この特徴を売り込むテキストとして、「容易に可変できる」という記述がありました。「変更できること=可変」ですから、この言葉使いは文法的に間違っています。
「言いたいこと」は十分に伝わりますが、技術力を一番の魅力とする会社だけに、こういった間違いの有無で、損なわれる信頼性は多大です。
その他、間違いではありませんが、「させていただく」といった敬語の重なりや、「ら抜き言葉」にも違和感を抱く方は少なくありません。
こういった言葉に気をつけながら、できる限りブラッシュアップすることで、サイトの信頼性と好感度をアップすることができます。

下記サイトでは、無料で日本語テキストの校正サービスが提供されています。
すでにお使いの方も多いと思いますが、間違いの洗い出しには、大変重宝します。
日本語文章校正ツール

⑤違法性のある言葉
物販系のサイトでは特に、薬事法や景品表示法など、法律の制約についてしっかりとした知識に基づく用語の選択が必要です。特に薬事法は言葉に対する縛りが厳しいので要注意です。

・○○にお悩みの方へ
・○○が気になる方へ
・○○の予防に
・○○に良い成分を配合
・いつまでもハリのあるお肌でいたいから

こういった表現も、オーバーチュアではしばしば使用できません。
薬事法の適用は年々厳格化しており、言葉そのものへの制約を超えて、内容を吟味したものに変わりつつありますので、テキスト全体への配慮も大切です。

また、著作物などからの引用についても注意が必要です。自分の言葉として紹介するなど、「引用物」であることを曖昧にした場合、著作権法に抵触することがあります。インターネット上では、ペーパー媒体にくらべ、著作権に対する認識が甘い傾向が見られます。物販で利用する場合には、一般のサイトに増して、発行者からクレームを受ける可能性が高くなる、と認識しておくべきでしょう。


NGワードへの対策

ここまで読まれて、気づかれたかもしれませんが、「放送禁止用語」とは異なり、NGワードはその言葉自体が必ずしもNGとされているわけではありません。使い方、言葉に含まれる配慮の足りなさが、ごく普通の言葉をNGワード化することの方が多い、と言えます。
こういった「NGワード化」を防ぐためには、言葉に対する感性を磨くことが一つの解決策になります。
同じ言葉を使う場合も、その言葉が持つ「きわどさ=NG性」を意識しつつわざと使えば、非常に訴求性の強いテキストを作成することができます。
若年女性向けの物販サイトやステップメールでは、あえて敬語を使わないことがあります。この場合、顧客に対して「親しいお姉さん」的な立ち位置を確保することで、一般的には失礼と思われる言葉を「親しみのある言葉」に転換することができるのです。

こういったNGワードを洗い出すには、なるべく多くの人に見てもらうことが有効です。
ある人が違和感や不快感を持つ言葉でも、立場や年齢・性別が異なる人は感じない、ということがしばしばあります。
実際の会話なら、相手の反応から「そんなつもりで言ったんじゃないんですよ」とフォローすることもできますが、ホームページを訪れた方は、あなたが伝えたい真意を理解しないまま、去っていくことになります。
素晴らしい商品を販売されているサイトでも、こういったNGワードを見かけることが少なくありません。成約率が低い、サイト来訪者の滞在時間が短い、といったお悩みをお持ちの方は、ぜひしっかり洗い出しを行ってみてください。

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